ANRとノルマルについて教えてください
空気は気体ですので、体積および流量は温度や圧力、湿度によって変化します。
様々な状態でも等しく比べるために基準状態、標準状態、スタンダードという定義されています。
標準状態とは20℃、1atm、湿度65%と一般的な大気に近い状態の空気を表したものです。
末尾に(ANR)と表記されます。
基準状態とはノルマルともいわれ、0℃、1atm、水蒸気を除いた湿度0%の乾燥空気となっており、末尾に(nor),(ntp)または体積の単位の前にNと表記されます。
製造現場では「ノルマルリューベ」「ノルマルリットル」と呼ばれています。
コンプレッサーやドライヤー、空圧を使用する機器の増設や更新の際には現在の流量を把握することが大切です。
圧縮空気は温度や圧力、湿度によって流量(体積)が大きく異なります。
異なる環境でも正しく評価するためには「基準をどこにするのか」は非常に重要です。
せっかく流量計を取り付けても正しく評価できなければ意味がありません。
流量計の表示が何を意味しているのか、正しく理解しましょう。
エアバイディングとは何ですか?
ドレン排出装置(オートドレン)内の空気層がうまく抜けないために発生する空気障害のことを、エアバイディングと言います。
油分を含んだドレンの処理方法を
教えてください
圧縮空気のドレンには空気中に含まれているチリやホコリの他に排気ガスが溶け込んでいたり、給油式のコンプレッサーの場合には油分が含まれていることがあります。
油を含んだドレンを工場排水として流すことは法令で禁止されているため、以下のような処理をするのが一般的です。
・油水分離槽で油分を分離する方法
・フィルターで油分を取り除く方法
・微生物を用いて油分を分解する方法
状況によっては上記の方法を組み合わせて油分を処理する場合もございます。
気になる場合は弊社までお問い合わせください。
ドレン排出機構に種類はありますか?
オートドレンには大きく分けて電気式と非電気式に分けられます。
電気式はドレンを検知するセンサーの有無、非電気式にはフロート式、ディスク式に分けられます。
当社では電気を使わないフロート式オートドレン弁SD-Bとドレンの「見える化」が可能な電気式ドレンタンクを製作・販売しております。
オートドレン弁SD-Bは電源を必要とせず、大量のドレン処理に最適です。
ドレンタンクはドレンレベルセンサーと電動ボール弁を組み合わせており、エアーロスなく確実なドレン排出が可能です。
また、ドレン排出積算回数の確認や外部への異常出力といった排出状況の「見える化」も可能です。
どちらも弊社の圧縮空気除湿装置ハイグロマスターのドレン排出機構として標準で採用しており、信頼性の高い製品です。
お気軽にお問い合わせください。
圧力損失を低減することはできますか?
圧力損失は小さな努力の積み重ねで低減することができます。
また、圧力損失の少ないホースカップリングやホース、高効率なエアツールの採用など工場全体を見直すことでコンプレッサーの設定圧力を低下できます。
除湿装置を通して圧縮空気設備の省エネ提案もしておりますのでお気軽にお問い合わせください。
「ーα°DP型ハイグロマスター」
と「アフタークーラー」の違いを
教えてください
一般的なアフタークーラーでは温度の高い順に並べると
圧力下露点温度>圧縮空気冷却温度>冷却水温度>外気温度>外気湿球温度
となるため、圧力下露点温度が外気温度を上回り、この圧縮空気を工場に送気するとドレントラブルの原因となります。
-α°DP型ハイグロマスターは高い冷却効率と除沫性能に優れたセパレータにより
外気(乾球)温度>圧力下露点温度=圧縮空気冷却温度>専用クーリングタワー冷却水温度>外気湿球温度
となることで外気温度以下の圧力下露点温度を得ることができます。
一般用工場エアー(圧縮空気)では外気による冷却でドレントラブルが発生することが多いため、外気温度以下の露点温度まで除湿されていればドレントラブルを防止することができます。このように―α°DP型ハイグロマスターは外気冷却に対して有効な除湿をクーリングタワーの冷却水を使用して行うことができます。
ハイグロマスターはお客様の仕様に合わせて製作いたします。お気軽にお問い合わせください。
「圧力下露点温度」と「大気圧下露点温度」の違いを教えてください
露点とは空気中の水蒸気が冷却して結露し始めるときの温度を指します。
露点温度はエアドライヤーの仕様を決めるうえで重要な指標の一つです。
エアドライヤーの「露点温度」は「圧力下露点温度」または「大気圧下温度」で表されます。
「圧力下露点温度」と「大気圧下露点温度」の違いを一言で説明すると「配管内の圧縮空気の露点温度」か「大気に放出されたときの圧縮空気の露点温度」であるかの違いになります。
ドレントラブルを防止するための露点温度管理にはこの二つの露点温度の違いを理解することが非常に重要です。