用途別・オートドレン弁の種類と特徴
こんにちは。墨田トータルサービス株式会社の代表、田邊です。
今回は、オートドレン弁の種類についてのお話です。
ドレンを処理する仕組みが適切に機能していなければ、コンプレッサーの寿命が短くなったり、製品の不良・機械の故障、生産効率の低下、稼働コストの増加に繋がります。
そんなドレンを適切に処理するのに用いる機器が、オートドレン弁。
今回はこのオートドレン弁の種類と役割について、ご紹介します。
導入時の背景、課題、状況を元に、お問い合わせの参考にしていただけましたら幸いです。
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オートドレン弁の基本的な機能・役割
圧縮空気が冷却される際、空気中に含むことができなかった水蒸気が凝縮して、水滴となります。この水滴がドレンです。
ここには、吸気した空気に含まれた塵や埃、排気ガスなどが溶け込んでいることがあります。加えて、給油式コンプレッサーの場合は、油分が含まれている場合もあります。
ドレンを適切に処理しない場合、設備が故障する危険が増し、寿命が短くなったり、生産効率の低下、結果、稼働コストの増加に繋がります。
また、油分を含んだドレンは工業廃水として流すことが禁止されているため、必ず油分を処理した上で排出する必要があります。
そのため、ドレンは逐次処理していく必要があるわけです。
しかし、このドレンを手動バルブで抜く場合、ドレンと一緒に圧縮空気も排出してしまいます。そのため、稼働効率がガクンと落ちる上、手動なので大きな労力も必要になります。
そこで各社から発売されているのが、「オートドレン弁(ドレントラップ)」と呼ばれる機器。
オートドレン弁は、圧縮空気を排出することなく、ドレンのみを自動で排出する機能を持ちます。
非常に効率的であり、圧縮空気を生成する際にオートドレン弁を使用するのは、半ば必須と言えます。
オートドレン弁の種類
オートドレン弁は、大きく分けて以下の三種類に分類されます。
1.フロート式オートドレン弁
2.ディスク式オートドレン弁
3.電気式オートドレン弁
それぞれに特徴がありますので、一つずつ解説していきましょう。
1.フロート式オートドレン弁
清浄な圧縮空気から少量のドレンが発生するという条件下のドレン抜きとして最適なのが、フロート式オートドレン弁です。
フロートの上下によって排出が行われるため電気が不要、取り付けが容易といった特徴があります。圧縮空気を使用する機器の直前のドレン抜きとして、採用されることが多いです。
反面、一般的なフロート式オートドレン弁は排出口が狭く、排出できる量も少ないため、大量のドレンを処理するには不向き。ドレンに含まれるゴミによる閉塞や、排出不良を起こすこともあります。
こうしたデメリットを回避できるフロート式オートドレン弁として、ハイグロマスターではゴミが詰まりづらく大量のドレンを処理できる製品、フロート式オートドレン弁SD-B(https://www.hygro.co.jp/products/products31.html)を取り扱っております。
排出口を拡げ動作を単純化したことで、ゴミが詰まりづらく、かつ大量のドレン処理に対応できるオートドレン弁です。
また、弊社取り扱い製品、ハイグロマスターに標準的に採用されているオートドレン弁でもあります
2.ディスク式オートドレン弁
電源の設置が難しい個所で大量のドレン処理を行う場合や、メイン空気配管のドレン排出に採用されるのが、ディスク式オートドレン弁です。
機構としては、内部のディスク機構が上下に動くことによってドレンを排出する方式。
一定時間ごとに圧縮空気と共にドレンを排出するため、大量のドレンであったり、ゴミが多く含まれている場合でも、問題なく排出することができます。加えて、電気は不要、取り付けも容易です。
ただし、ドレンと共に圧縮空気も排出してしまうため、コスト面から、然るべき箇所での使用が求められます。また、ディスクの定期的な交換も必要となります。
3.電気式オートドレン弁
電気式オートドレン弁は、大量のドレンが発生するコンプレッサーや、エアドライヤー用として採用されることが多いタイプです。
電源を必要としますが、フロート式やディスク式と比べて対応できるドレン量の幅が広いのが特徴。大量のドレンやゴミが多く含まれる場合でも、問題なく処理することができます。
センサーの有無でも分化し、一長一短の特徴があるので、条件や環境に合わせて適切な方式を選ぶ必要があります。
センサーのない電気式オートドレン弁はタイマーで一定時間ごとにドレンを排出します。部品点数が少なく低コストなのが特徴です。
反面、ドレンが少ない場合に圧縮空気も共に排出される、作動回数が多いため、機器の消耗が早まりやすいといった短所もあります。
センサーのある電気式オートドレン弁は、ドレンレベルを監視しながら適宜排出を行います。そのため、圧縮空気の無駄な排出がありません。
加えて、ドレンが閉塞した場合もセンサーで検知できるため、ドレンの可視化に適しています。
短所として、センサーを内蔵する関係で機器が大きくなりやすく、部品点数の多さからコストが高くなりやすいという点が挙げられます。
オートドレン弁には、フロート式、ディスク式、電気式の三種類があり、それぞれ長所と短所があることをお話しました。
それぞれの特徴、使用環境と条件を踏まえ、適切な製品を選定すること。そうしてロス削減し、ドレントラブルを回避することが、費用対効果に優れる稼働に繋がります。
ぜひ一度、専門家の提案を参考に、オートドレン弁の選定を行ってみてください。
また、弊社では電気を使わないフロート式オートドレン弁SD-B(https://www.hygro.co.jp/products/products31.html)、ドレンの可視化が容易な大容量電気式ドレンタンク(https://www.hygro.co.jp/products/products32.html)も取り扱っております。
どちらも、弊社取扱製品ハイグロマスターシリーズのドレン排出機構として採用されており、非常に信頼性を誇ります。
オートドレン弁の選定に迷っている、ドレントラブルを解決したいといったお悩みをお持ちでしたら、まず一度、お問合せください。お客様の環境・条件に最適な製品をご提案致します。